人工的工作物であるニュータウンにおいては,計画上の不備や,開発計画自
体のもくろみの誤算などのさまざまな要因によって多様な問題が生じている。
ニュータウンの問題点へのアプローチとして,ニュータウン内で生じたさまざ
まな問題に対するアプローチとともに,ニュータウンの開発が周辺地域などへ
与えた諸影響に対するアプローチの2つの視角に分けることができる。

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第1の視角として,ニュータウン内で生じた問題に対するアプローチとして,
小森(1983),高橋(1983),中野(1983),住田(1984),小林ほか(1987)に
よるニュータウン居住者の社会階層の問題へのアプローチがある。小森
(1983)はイギリスのニュータウンの初期の目的が社会的にバランスのとれた
地域社会の創出,すなわちソーシャル・ミックスにあったことを紹介した。居
住者のバランスをとるためにソーシャル・ミックスがはかられたが,方法とし
て労働者選抜がさまざまな社会階層の受け入れのために行われ,ニュータウン
内に進出する企業を多様化させることが行われた。このソーシャル・ミックス
について,ニュータウン開発の直接の動機として,大都市における住宅難解決
のために景気変動に耐える産業構造を生むと考えられた。近年の試みとして,
高齢者や貧困層の受け入れやニュータウン内就業が行われている。

一方,ニュータウンにおける社会階層をはじめとする居住者特性の単調性
(単一性)について,高橋(1983)は,ニュータウン政策が行われた1955~
70年のフランスの都市政策において,集合共同住宅が単一的・画一的建築形
態がとくに婦人層に「サルセル病(集合共同住宅に住むことによるノイロー
ゼ)」と呼ばれる心理的悪影響を及ぼしたのは,新住民の社会的性格があまり

にも均質であり,正常なコミュニティ生成が稀であったためと指摘した。また
ゴーソラ(Goursolas;1980)はフランスのニュータウンにおける変化を明ら
かにした。

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