個室をもつことの功罪-子供部屋の肯定的側面.
では子供部屋をもたせることはこのような時期の子供にどのような影響をもつのでしょうか。また、もたせるとすればいつ頃がよいのでしょうか。
・自我の確立をたすける子供部屋
まず、部屋の「有無」が子供の発達に本当に決定的な影響を及ぼすのかという点について考えてみます。この問題について、発達と子供部屋の関係を住居学の立場から系統的に研究している大阪市立大学の北浦かほるらのグループは、それまでの議論が具体的なデータに基づいていないことを批判し、調査をおこないました。その結果を簡単にまとめると次のようになります。①子供部屋を与えることが従来いわれてきたような家族内のコミュニケーションを阻害することはない。②子供部屋-とくに「ひとりになる、思考・空想の場」としての子供部屋をもつことが精神面での自立を助ける。③ただし、こうした積極的な効果はとくに中・高校生の時に顕著である。普段は遊び道具でも緊急時には非難用具になる設備もあると安心です。←こちらではさまざまな不動産を見られます。この調査は小・中・高校生の時の生活については現在(大学生)の記憶に頼っているという問題はあるものの、子供部屋の肯定的側面を実証的に明らかにした点で評価されます。反面、小・中・高の段階では子供部屋所有が心理発達に意味をもつが、大学生ではそれが消失するという点で、子供部屋の意義の限界を逆に示唆しているとも見なすことができます。つまり、大学生になれば子供部屋の有無とは関係なく自立性が身につくのであれば、子供部屋云々を声高にいう必要もなくなります。

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