また小森(1983)は,イギリスのニュータウンの特色について「単に個々の
都市の設計の巧みさや生活環境の質の高さのみにあるのではなく,総合的で
まったく新しい計画に基づいて経済発展と都市の成長を誘導し,国民の生活と
職場の環境を改善する目標の達成に努力している点にある」(p.15)としてい
る。これは大都市の周辺地域のみに建設されるわが国のニュータウンと異なり,
また初期のニュータウンとも異なり,「斜陽の炭鉱地帯や古い工業都市の周囲
にニュータウンを開発して新しい活力を注入しようとする試み」(p、15)の例
にみられるように,イギリスではニュータウン開発を地域の再活性化などの地
域開発の手法としても行われたことを意味する(下総;1975)。

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以上のような定義のもとニュータウンの起源は,ハワード(1968)の「田園
都市」構想に求めることができる(樋口;1983,高橋;1983,井内;1983)。
ハワードの田園都市論について増田(1993)は,健康的生活と産業の計画され
たものであり,工業化社会のビジョンとしてとらえている。しかしながら,前
述のようにイギリスで用いられる本来のニュータウンとは明らかに異なるわが
国のニュータウンについて,・ここで厳密に定義する必要がある。

ニュータウンが本来的には新しい街を意味するものであり,多機能が集積し
た街を示すのに対して,住宅団地は工業団地や流通団地のように,単一機能が
集積した開発地を指すものと考える。また,イギリスにおけるニュータウンは
大都市のスプロール化の対策として,郊外の発展を秩序づけた点において,わ

が国で使用されているニュータウンは,むしろスプロールの一因となったもの
も多い。このように,わが国で用いられている「ニュータウン」の用語は,イ
ギリスで用いられている本来的な意味とは乖離しているため(KiuchiandInouchi;1976,Tanabe;1978,井内;1983,小森;1983),日本における
ニュータウンは住宅団地として別に項目を設けてあとで議論する。

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