地方都市圏における住宅団地
の開発については,仙台市を事例とした田辺ほか(1976a)や,広島市の事例
では藤田(1972)などがある。さらに高山(1979)は,住宅団地内の空閑地に
ついて検討した。いずれの研究も分布からみた立地パターンの解明に中心があ
るため,分布に影響を与える地価との関連や分譲価格などの経済的側面,およ
び住宅購入層の特性の解明など,開発のメカニズムを総合的には分析を試みて
いない。

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それに対して,開発の制度的背景について,松原(1988),長谷川(1997)
は開発主体の活動に焦点をあてた。松原は,住宅供給主体である不動産デベ
ロッパーの活動に着目し,不動産資本の空間的運動の理論的検討と不動産資本
による都市開発の実態分析を都市経済地理学の立場から行い,不動産資本によ
る都市地域構造の形成をその開発戦略から,都心.郊外などの都市地域の形
成・再編成を解明した。その結果,不動産資本は大規模住宅団地を飛び地的に
拡大させ,都市域の遠隔化を促進したことが明らかにされた。ここで指摘され
た飛び地的な住宅地の発展の原因について,山鹿(1957)は安価でまとまった
土地を入手するために,交通線間の不便な土地に集団住宅地が多く建設された
ことによるとし,地価による制約が大きな原因であったとした。これらの大規
模住宅団地は既成市街地の社会資本に依存しなくてもよいものであったが,既
存の地域社会に対して農村社会を変容させて衛星都市化させたり,児童の急増
による学校建設ラッシュなど地方財政を圧迫させるなどの影響を与えた。

松原(1982b,1988)は,1974年制定の国土利用計画法により土地取引が
チェックされるようになって,宅地分譲中心から建て売り分譲中心へと移行し
たことを指摘した。その結果,付加価値をつけて販売するなどの街つくりに個
性をもたせ,住宅地商品を差別化するように開発手法が変化したことが明らか
にされた。この観点と同様のアプローチでは,千葉(1988,1989,1991,1994)も,仙台市都市圏の大規模宅地開発が宅地開発要綱によって住宅地の優
良化・差別化が生じたことを明らかにした。

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